技
蒔絵とは
蒔絵とは、文字どおり「蒔いて描く絵」を意味し、漆で文様を描き、漆が固まる前に金や銀などの微細な金属の粉を蒔き付けてゆく、日本の伝統的な漆の技法です。
日本では千年以上にわたって受け継がれ、蒔絵は古くは寺院の調度、宮廷の什器、貴顕の身のまわりの品に用いられてきました。漆芸のなかでも最も手間を要する技法のひとつであり、一見しては静かに、光が移ろうにつれてはじめてその奥行きをあらわします。
漆、金粉、そして光
漆は、漆の木の樹液を精製したものです。薄く幾層にも重ね、湿った環境のなかで硬化させることで、類いまれな深みと堅牢さをもつ表面が築かれます。作家はその表面に生乾きの漆で文様を描き、漆がまだ受け入れるうちに、金・銀・色金などの微細な粉を蒔きます。
粉の等級、蒔く密度、そしてその後の研ぎと磨きのすべてが、仕上がった作品の見えかたを左右します。生まれるのは平らな金箔張りではなく、光を集めては放ち、見る角度や室内の様子に応じて表情を変える表面です。
金そのものについて:金沢の金 →イメージ画像
イメージ画像 コンセプトビジュアルです。実際の工房・制作工程写真は後日追加予定です。
なぜ時間がかかるのか
漆は急かすことができません。次の層を重ねる前に、それぞれの層が十分に硬化しなければならず、硬化は単なる乾燥ではなく温度と湿度に左右されます。一つの作品は、描き、蒔き、固め、研ぎ、そしてくり返し磨くという行程を経て、数週間から数か月をかけて仕上がります。
この時間は、技法における不都合ではなく、その本質そのものです。仕上がった蒔絵の表面にたたえられた静けさは、そこに注がれた時間の、目に見える記録なのです。
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イメージ画像 コンセプトビジュアルです。実際の工房・制作工程写真は後日追加予定です。
受注制作できるもの
蒔絵は、手に取り、用い、長く受け継ぐための器によく合います。よくご依頼いただく形には、筆記具や硯箱、茶道具、香道具や小箱、装飾パネル、そして身近な記念の品などがあります。その他の器についても、技法と選ばれる素材が支えうる範囲を踏まえ、対話のなかでご相談いただけます。
受注制作は一点ごとに異なります。制作期間と価格は、作品の大きさ、文様、選ばれる素材、そして工程の複雑さによって変わります。
取り扱いと保管
蒔絵の作品は、ふつうの心づかいで扱えば堅牢です。清潔で乾いた手で持ち、柔らかく乾いた布でやさしく拭いてください。研磨性のある材料、強い洗剤、長時間の直射日光、そして極端な熱や乾燥は、時とともに漆を傷めることがありますので、お避けください。
直射日光を避けて保管し、強い衝撃から守れば、よく作られた漆の器は世代を越えて受け継がれ、用いるほどに静かに深まってゆくものです。
特別あつらえ
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受注制作をご検討の際は、まずお問い合わせください。器、文様、そして実現できることをともにご相談いたします。海外からのお問い合わせ、翻訳、見積もり、配送は Genji Atelier が承ります。